アーユルヴェーダは人間を体、五感、心、たましいの総和と考えています。人間の本質はたましいです。「たましい」という言葉に違和感を感じるのであれば、意識と言ってもいいし、エネルギーと言っても構いません。それは物質ではなく、生命を支えている根源的なエネルギーです。それよりも表層的なところに心があります。心は体とたましいを結びつける役割を果たしています。たましいを発電所にたとえるなら、心は送電線にたとえることができます。体は各家庭や工場やお店と同じです。発電所でつくられる電気は送電線を通って各所に供給されます。同様に、たましいのエネルギーは心を通って体に送られます。送電線が切れると電気が供給されないように、心が不健康になると、たましいでつくられるエネルギーは体に送られません。人間の根源であるエネルギーが断たれると体に不調和が起きることは想像に難くありません。体と心の健康を切り離すことはできないのです。最近、電車のなかの中吊り広告をみると「体とこころにやさしい」が花盛りです。体とこころにやさしい食事、体とこころに効くヨガ、体とこころを癒すホテルなど、その例は枚挙にいとまがありません。いかに多くの人が体と心の両方を気にかけるようになったかを示す宣伝コピーです。こうした宣伝コピーが示すように、食べ物は体と心の両方に影響します。運動も体と心の両方に作用します。休息も同様です。睡眠は心の栄養といわれるのはそのためです。私たちは体と心が表裏一体であることに気づき、健康や美しさを見る目はフィジカルな視点から、マインドを含めた広い視点に移ってきています。