stomach_2.JPG

アーユルヴェーダは生命の科学と言われていますが、エネルギーの科学と言うこともできます。アーユルヴェーダは、身体エネルギーのドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファと呼ばれます)の量がその人にとってバランスのとれている状態が健康と定義しています。ドーシャのバランスの崩れは、病気を引き起こす大きな原因の一つなのです。ヴァータ、ピッタ、カファの比率は人によって異なります。それが体質の違いを生み出しているのです。
アーユルヴェーダは、身体にはドーシャ以外にも大切なエネルギーがあると考えています。食べた物の消化を促し、命を与えてくれるエネルギーです。それはアグニと呼ばれるエネルギーです。生物学的な火と解釈することができます。アーユルヴェーダは食べ物を非常に重視しています。体質に適さない食べ物を食べ、それが十分に消化されないことが、ドーシャのアンバランスを招く大きな原因と考えています。
食べ物はタンパク質、ビタミン、炭水化物、脂肪といった栄養素が混ざり合ったものというだけでなく、病気を予防する働きをします。食べ物に宿っているプラーナ(生命力)は体の生命力を維持するために不可欠なものですが、プラーナのレベルは食べ物によって異なります。新鮮なホールフード(まるごと食べること)はプラーナを十分に含んでいる一方、加工食品や冷凍食品など工場由来の食べ物はプラーナを持っていません。
食べ物は消化されたのち、オジャスをつくり出すこともあれば、アーマを生み出すこともあります。オジャスとは消化プロセスの最後に作られる身体エネルギーです。自己免疫力と言いかえることができます。命と健康を維持するために必要な生化学上の力です。一方、アーマとは食べた物がちゃんと代謝されないことからできる体内毒素です。汚染されていない、きれいな食べ物を選択し、正しく調理した食べ物が十分に消化されることがオジャスを作り出し、身体組織であるダートゥに活力と強さを与えるのです。

毒にも薬にもなる食べ物

食べ物はきちんと消化されて始めて健康にプラスに働きます。いくら良質できれいな食べ物であっても、完全に消化されなければ体にとって毒になります。食べ物は胃のなかで消化されますが、そのときに働くのが消化の火です。ジャターラグニと呼ばれます。胃(ジャタール)のなかにある火(アグニ)という意味です。現代で言うなら消化酵素に相当します。アグニは生物学的な火であり、その熱エネルギーによって、食べ物のエネルギーを生命維持に必要なエネルギーに転換する働きをします。ジャターラグニのバランスを維持することは大切なことです。ジャターラグニは全部で13あるアグニの中心だからです。アーユルヴェーダ医は、病気の治療を始めるにあたり、アグニの過不足を調べ、アグニが適切な強さになるようにハーブを処方することから始めます。ハーブによって強まったアグニは、身体組織(ダートゥ)の形成を促し、老廃物(マラ)や毒素(アーマ)の排泄を促進します。アグニが一度燃え立つと、ますます活発になり、毒素を体から押し出す力が増していくのです。