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正美さん(仮称)は夫と別居して3年になります。離婚したいと主張する夫に対して、正美さんは子供がかわいそうだからと言って離婚に応じません。そのストレスを紛らわそうとして、正美さんは過食に陥りました。夜になると食べないではいられなくなりました。子供との夕食のあと、パン1斤、ドーナツ3個、羊羹1本を食べるようになり、さらに飲酒も加わったため、体重増加だけでなく、職場でも責任を果たせなくなりました。家のなかはモノで溢れかえり、足の踏み場もありません。正美さんの顔から笑顔が失われてから久しく、いつも背中をまるめているために、背中に大きな脂肪がついています。子供はそんな覇気のない母親よりも父親と暮らすほうを選らびました。正美さんは一層過食と飲酒に走るようになりました。正美さんの友人達は、夫との戻らぬ関係にしがみつくより、新しい人生の道を歩んでイキイキすることが、子供との生活を取り戻す方法だと諭したのですが、正美さんの心は迷走したままでした。
私たちの心はよく迷走し暴走します。自分が生きている意味を見失い、生きる目的をつかめぬまま、社会での居場所を失った感覚にとらわれてしまいます。自分と社会の間を隔てる壁があると感じるのです。自分を愛してくれる人はだれもいない、自分を理解してくれる人もいない、自分は孤独だと考えてしまいます。顔から笑顔が失われ、否定的な考えばかりが頭に浮かびます。私には愛される価値がない。私は社会に認められないクズ人間だ。私をこんなふうにしたのは親の教育のせいだ。。。。と否定的な考えには際限がありません。こうした否定的な思考は慢性的なストレスを招き、ストレスを解消するための大量飲酒や質の悪い食品の過食はさらにストレスを増大させます。心と体は直結しているので、ストレスは体にさまざまな不調をもたらします。肩こり、頭痛、便秘、うつなどの気分障害、炎症、成長ホルモンの低下、腹部の脂肪蓄積、インスリンが分泌されても血糖値が下がりにくくなる、血中脂肪の増加、コレステロールの増加、血液をドロドロにする、筋肉の減少などの不具合はストレスに関係しているのです。底なしの悪循環です。医者は血行改善剤、便秘薬、抗うつ剤、コレステロール降下剤、抗炎症剤などを処方するかもしれません。しかし不調の原因は心の暴走にあるのですから、心を落ち着かせてあげないと根本的な問題解消にはつながりません。心の暴走を抑え、肯定的な考えを取り戻すためにはどうしたらよいのでしょうか。

深呼吸

床に寝てゆっくり腹式呼吸をします。「えっ、そんなこと?」と疑っているあたな、疑う前にやってみてください。瞬く間に心が落ち着きます。深呼吸によって副交感神経のスイッチが入り、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが低下するからです。アーユルヴェーダではいくつかの呼吸法を取り入れていますが、それを覚える前にまずは腹式呼吸をやってみましょう。おうちでは床に寝て、職場では背筋の伸ばして椅子にすわって行います。毎日行うことをお勧めします。

感覚器官をきれいにする

感覚器官をとおして外界の情報が心に入ってきます。感覚器官がきれいであれば、きれいな情報が心に入り、感覚器官が汚れていれば、心と感覚器官は汚れた情報に関心を寄せます。目、耳、鼻、舌、皮膚をいつもきれいにしましょう。「えっ、そんなこと?」と疑っているあたな、疑う前にやってみてください。鼻を洗う方法はこちらをご覧ください。http://www.jivajapan.jp/life/jivananda.html
それから、生活の場もきれいにしましょう。居間、台所、寝室の余分なものを片付けましょう。それだけでも心は落ち着き、前向きな思考に変ります。最近、ゴミ屋敷(片付けられない症候群)が急増しているとテレビで報じられていましたが、これも心の暴走に関係していると考えられます。

よい睡眠

睡眠は心の栄養素です。過食の果てに吐きながら寝つぶれるのは、よい睡眠とはいえません。入浴後、深呼吸をして心をゆったりとさせながら深い眠りにつくのが、よい睡眠です。よく眠れた翌朝は幸せな満ち足りた気持ちになります。睡眠は心の栄養素であると同時に、眠っている間は本当の自分に戻ってエネルギーを蓄えることができるからです。本当の自分とはこのエネルギーそのものなのです。エネルギーは宇宙にも私たちの中にもあり、みんな同じエネルギーでつながっています。あなたは決して独りではなく、すべての人や社会とつながっているのです。心の暴走が鎮まり、本来の知性が働き出せば、それがわかってくるはずです。