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ほとんどの病気は、身体に症状が現れる場合であっても、心に原因があるという考えが広まっています。心が病気の発現と治癒に重要な役割を果たしていることは臨床試験によって明らかになっています。医療専門家のなかには、病気の原因は心や無意識レベルにあり、体は病気が発現する表層面にしかすぎないと明言している人もいます。たとえば「私は7月になからず風邪をひく」と言う人がいます。年末に必ず発熱する人もいます。自分は7月に風邪をひくと思っていれば、そうなるのです。

アーユルヴェーダは、心には3つの質(グナ)があると考えています。それはサットヴァ、ラジャス、タマスと呼ばれています。サットヴァをたくさん持っている心は平安で、リラックスして、強い意志をもっています。知性が正しく働き、ものごとの良し悪しを正しく判断することができます。ラジャスは行動を促す心の質であり、ラジャスがなけれが一歩も行動できないのですが、サットヴァが少なく、ラジャスが過剰に多い心は、ネガティブな行動を促し、体に害を与える食べ物や行動を好むようになります。タマスは停止を促す心の質です。タマスに支配されている心は思考を停止し、善悪を区別することができなくなります。心は落ち込み、停滞モードが支配します。現代の食べ物や生活スタイルは心のラジャスやタマスを容易に増やすものであり、ネガティブな行動や無知・混乱を招きやすいのです。ラジャスやタマスが心に増えると知性は正しく働かなくなり、体や心の正常な機能を阻害する食べものや生活スタイルに傾斜していきます。

サットヴァが少なくラジャスやタマスが多い心は心や体の不調の原因となります。アーユルヴェーダは、病気のもともとも大きな要因は「知性の間違った使い方(Pragyaparadha)」にあると考えています。すべての人間は知性をもっているのですが、私達はそれを正しく使っているでしょうか。そうとは言えません。私達は仕事、お金、家族、社会生活、ほしいものの取得、社会的地位の向上など、外界の世界に関係した問題に対しては知性を使います。しかし自分の体に対しては知性を使っているとは言えません。もし普通に知性や常識を使っているなら、コンビニ弁当やカップ麺を常食する気にはなれないでしょう。カップ麺を5日間連続して食べると思考力が低下するという話を聞きました。

どうして私達は知性を使わないのでしょうか。心のサットヴァが少なくなると知性は機能しなくなり、自分にとってよくないことをしたり、身体機能のバランスを崩すようなことを行うようになります。大切なことは心のサットヴァを増やすことです。サットヴァが増えると知性が正しく機能し始め、心と体がもとの秩序を取り戻すのです。

サットヴァは純粋できれいで新鮮な質を意味します。アーユルヴェーダには「同じ質のものは心や体の同じ質を増やす」というルールがあります。サットヴァと同じ質のものを食べたり行動をしたりすると心のサットヴァが増え、反対の質の食べ物や行動はサットヴァを減らすのです。新鮮、ナチュラル、オーガニックなベジタリアン食はサットヴァを増やす一方、缶入り食品、古い食品、加工食品、添加物がたくさん入った食品、揚げ物、カフェイン、アルコール、たばこはラジャスとタマスを増やします。

アーユルヴェーダが言う食べ物とは、口から入る食品だけを指すのではありません。目、鼻、耳、皮膚から入ってくる情報すべてを「食べ物」と定義します。ラジャスの質と同じものを聞いたり見たりすると心のラジャスが増え、タマスと同じ質の臭いをかいだり、皮膚から感じたりすれば心のタマスが増えるのです。サットヴァを増やす美しい音楽を聴いたり、心を落ち着ける香を楽しんだり、美しい風景に感動することが大切なのです。

自分をもっと大切にしましょう。工場で作った添加物満載の加工食品で自分を痛めつけることはやめましょう。過剰な競争で血管や心臓や心を傷つけることはやめましょう。人生は楽しむためにあるのですから。