コラム
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東日本を突然襲った地震と津波は多くの命を奪い、33万人を超える人々の生活を一変させました。日本中が悲しみに暮れています。それに追い討ちをかけたのが原発事故。東京は大きな被害はなかったものの、その後店頭から一部の生活必需品が消えたことや、計画停電、大規模停電の予告、自宅待機などが人々の不安感を高めています。余震が続くことによって「地震酔い」を訴える人も急増しています。突然襲った恐怖と悲しみにすべての人がストレスを感じ、途方に暮れています。

ストレスとは、自分にとって脅威であると知覚した物事に対する身体的あるいは心理的反応です。ストレスの要因(ストレッサー)はいくつかのグループに分けることができます。生理的ストレッサー、外部的ストレッサー、社会的ストレッサー、感情的ストレッサーなどです。生理的ストレッサーは病気や老化などによって感じるストレスです。社会的ストレッサーは人間関係、職場での問題、地域社会内の関係などによって生じるストレスです。今回の地震や原発事故によるストレスは外部的ストレッサーに属します。自分の外部に存在する要因によって生じるストレスです。ストレスによって体や心の働きが低下していきます。地震酔いもストレスによって引き起こされた身体的不調でしょう。風邪を引きやすくなる、腰痛、頭痛、吐き気、動悸といったこともストレスによる身体への影響です。さらに心にも影響します。不眠、いらいら、食欲不振などが起こります。被害を受けていない東京の消費者がお米やトイレットペーパーを買い込むことも心への影響の現れです。ストレスによって知性の働きが止まってしまったのです。キャベツを2個も3個も買い占めてなんになるでしょう。腐るだけではありませんか。お米を買い占めてなんになるでしょうか。食欲がいつもの2倍になるとでもいうのでしょうか。少し落ち着いて考えるとわかることです。知性を正しく使わないことをアーユルヴェーダでは「プラッギャアパラーダ」といいます。知性を正しく使えばストレスの度合いは緩和します。

■ まずは深呼吸

強いストレスにさらされると呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなると脳の酸素が不足するので、判断力が低下し心の機能が低下して、不安感はさらに強くなります。だから脳に酸素を補給することが大事。まずは深呼吸をしましょう! 床に寝ても椅子にすわったままでも結構です。目を閉じ、ふっくり腹式呼吸をします。息をゆっくり吸い、おなかに息がたまったら、ゆっくり息を吐きます。その間、なにも考えず全身から力を抜きます。ゆっくり息を吸ってゆっくり息を吐くことを10分間続けてください。目を開けたら心はスーッと落ち着いているはずです。心の暴走が鎮まったら知性が働きだすので、むやみに恐がることや食品の買占めは意味がないことに気がつくはずです。心がざわついてきたと思ったら、日に何度も深呼吸をしてください。

■ ストレッチをする

不安感と恐怖感の下でストレスにさらされていると体が縮こまります。これも脳の酸素不足に拍車をかけます。できるだけ体を伸ばしましょう。なんどでもストレッチをしてください。体内の汚れは関節にたまりやすいので、関節をぐるぐる回しましょう。ジヴァナンダ・ストレッチをお勧めします。
http://www.jivajapan.jp/life/jivananda.html

■ 心を落ち着ける音楽を聴く

心は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感とつながっています。音楽が心に及ぼす力の大きさについてはだれもが知っているはずです。不安な音楽は心を不安にし、静かな音楽は心を鎮めます。震災が始まってから音楽を聴くことを忘れていた人も多いと思います。心を鎮める好みの音楽を聴く余裕をもってください。

■ クリーンな食品を食べる

加工食品、フライ物、添加物の多い食品は脳のストレス要因となります。もちろん被災地の方はそんなことを言っていられません。が、一般的にストレスを緩和するためにはクリーンな食品を食べることが大切です。クリーンな食品はストレスを緩和する力があるのです。お酒はストレスを緩和する効果はありません。

まだまだ不安定が日々が続きますが、私達にできることは元気に前を向いて暮らすことです。それが東日本と日本全体の復興を助ける方法なのです。

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アーユルヴェーダは身体のタイプ分けと心のタイプ分けが相互に作用して体質や性質を決めると考えています。自分の体質や性質がわかれば、病気を予防したり心の安定を得られるような食事や生活の仕方を組み立てることができます。自分の体や心理的な傾向を理解すれば、そのバランスを保つ方法がわかるようになり、それが健康維持につながるのです。

アーユルヴェーダの体質分類は3つあります。ヴァータ、ピッタ、カファです。ヴァータは空気(風)の質、ピッタは火の質、カファは水と地の質を多くもっています。これらはドーシャと呼ばれ、体の病気の原因になると考えられています。本稿ではヴァータを詳細に取り上げることにします。ヴァータは3つのドーシャのなかで最も重要で、ドーシャの王と呼ばれているからです。

アーユルヴェーダの古典教科書の一つである「サングラハ・サンヒター」はヴァータの重要性を次のように言い表しています。

Pitta pangu Kapha pangu pangvo maladhatava
Vayuna yatra niyante tatra gachchhanti meghavat

「ピッタ、カファ、マラ(老廃物)、ダートゥ(身体組織)は歩いたり動いたりすることができない。それらはヴァータによってコントロールされ、体内のあちこちに運搬される。雲が大気によって流されるのに似ている」
という意味です。

ヴァータの重要性は身体機能にとどまらず、感覚器官や心の機能にも重要な役割を果たしています。これを「ハタヨガ・プラディーピカー」はこう表現しています。

Indriyanam mano natha manonathastu maruta

「心は感覚器官をコントロールし、ヴァータは心をコントロールする」

現代科学は心を脳や神経系と同一視しています。アーユルヴェーダにも似たような考え方があります。人間をさかさまにした木にたとえ、根は頭(脳)、幹は脊髄、枝は神経の役割を果たしていると考えています。ヴァータはプラーナ(気、エネルギー)を神経系全体に行き渡させることによって木を滋養しているのです。ヴァータが乱れて正しく機能しなくなると、うつ、ストレス、注意欠陥・多動性障害、認知症、躁うつ病などの神経障害を引き起こす可能性があると考えられています。

ヴァータは生命(ayu)そのものであり、アーユルヴェーダは生命(ayu)の科学です。バランスのとれたヴァータは健康、強さ、幸福、躍動をもたらします。ヴァータは体のなかで次のような役割を果たしています。

−生命あるものをつくり、維持し、破壊する
−体内のさまざまなものをスロータス(体内チャンネル)をとおして運搬する
−ダートゥ(身体組織)の形成を支える
−受胎の直後から胎児の成長(細胞分裂)を司る
−呼吸器系をはじめとする臓器や系の機能を司る
−運動器官、知覚器官、心をコントロールする
−ジャターラグニ(消化の火)、ダートゥ・アグニを燃え立たせる
−老廃物を排泄する
−神経系の正常な機能を保つ

ヴァータはドーシャの王であり、体や心の病気を引き起こす主因にもなりえるのです。高齢になればだれでもヴァータが増えるので、年齢を重ねるほど病気になりやすいことも肯けます。ヴァータのバランスを維持することが健康維持の秘訣なのです。


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