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ドクター・パルタップ・チョハン医師から「人生の究極の目的は人を助けること」と言われ続けて16年。今年も日本にきたドクター・パルタップは被災地の惨状を悲しみ、「これから被災者のところに行こう!」と椅子から立ち上がらんばかりの勢いで言いました。私は「突然、被災地で辻説法をしたとしても被災された方たちは心の準備ができていないだろうから、今は時期尚早だと思う」と言ってドクター・パルタップをなだめたのでした。ドクター・パルタップは日本に来るたびに、「日本はテクノロジーが発達し、衛生的で、人々は勤勉なのに、どうして誰もが不幸そうな表情をしているのだろう」とかねがね言い続けていました。テクノロジーがある一方で、本来の日本の伝統を見失ってしまったことがその要因ではないかと考えていたのです。つまり、自分の本質である魂(スピリット)と本来の文化のつながりが失われたことが日本人を不幸にしているのではないかというのです。人間は物質に代表される肉体だけで成り立っているのではなく、心と感覚器官でも補いきれない重要な構成要素があるのです。それがスピリチュアルティーであるとドクター・パルタップは力説していました。そんななかでの東日本大震災。ドクター・パルタップの目には自然からの警鐘と映ったようでした。同じ考えを持つ人は他にもいます。これは日本にとって大きな不幸の始まりに過ぎないと言う人もいます。私はこうしたセンセーショナルなメディア受けするような意見に組することはできず、「東北の人たちは何も悪いことをしてないではないか。なぜ東北なのか」とドクター・パルタップに聞きました。医師は、これは個人のカルマの問題ではなく、日本という国への警鐘であり、被災地にいた人々はたまたまそこにいただけだ、という答えでした。ドクター・パルタップはさらに続けました。「スピリチュアリティーという言葉を使うと嫌な顔をする人が多いけれど、スピリチュアリティーは特定の宗教とはまったく関係がない。単に魂(スピリット)に関係したことという意味なんだよ」と言いました。魂(スピリット)という言葉を使いたくないのであれば、人間というシステムを動かしているエネルギーと言い換えてもいいのです。多くの日本人はスピリットの存在を忘れ、物質と肉体と感覚器官と心しか見えていないようにみえます。ドクター・パルタップは以前から日本の問題はそこにあると感じていたのです。

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ドクター・パルタップがセミナーやコンサルテーションを終えて帰国する前日、哲学者であるお兄さんとスカイプでつながることができました。サトヤナラヤナ・ダサという人で、このお兄さんとスカイプでつながることは滅多にないそうで、「宇宙の創造者は、今の日本とつながることが必要だと考えたのだろう」とドクター・パルタップ自身が驚きを隠しませんでした。サトヤナラヤナ・ダサは「今回の大震災は、目覚めよ、起きなさいと自然が日本に警鐘をならしたのだ。いつの時代でも大きな変化の前にはこうした警鐘が鳴るものだ。ただ、全員が全員目覚めるわけではない。警鐘が鳴ったあとも惰眠をむさぼる人はいる。サットヴァに満ちている人のみが目覚め、ラジャスやタマスに支配されている人は眠ったままだろう。」言いました。 サトヤナラヤナ・ダサのウェブサイトはこちらです。
http://www.satyanarayanadas.com/
大震災や原発問題は悲しく、怒りすら覚えますが、私は日本の将来を悲観的にとらえていません。ドクター・パルタップやサトヤナラヤナ・ダサが言うように、今回の大震災は日本が変るためのターニングポイントだったと思っています。決して大きな不幸の始まりではないのです。たしかにラジャスやタマスに支配されている人は惰眠をむさぼるかもしれません。しかし、すでに多くの人がこれまでの日本の生き方に疑問をもち始めています。新しい生き方と価値観を探し始めているのです。ドクター・パルタップのコンサルテーションを受けられた方の多くが、震災後の体調不良を訴えています。それは単に不安からきているのではなく、これまでの生き方の基盤が変るだろうことを直感的に感じているからなのだろうと思います。日本は新しい価値観を見出さなければ埋没していくでしょう。日本が世界のなかでリーダーシップをとれるかどうかは、新しい生き方と価値観をみつけられるかどうかにかかっているのです。日本の先進テクノロジーと失われたスピリチュアリティーが結びつくことができれば、世界をリードしていることができるはずです。ドクター・パルタップも同じように考えています。だからアーユルヴェーダを通して、日本が新たなステージに進むことをサポートをしたいのだとドクター・パルタップは熱く語ったのでした。