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■六味

病気の診断にとってドーシャの理解が欠かせないように、病気の治療にはラサ(味)の理解が欠かせません。どの物質も五大元素(空、空気、火、水、地)の組み合わせでできているように、味も五大元素の組み合わせによって甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味の六味ができています。

六味はそれぞれ、その味を構成する元素の特質を反映しています。たとえば、甘味は地と水からできているので、重く、密度が高く、湿っているという特質を持っています。アーユルヴェーダには「同じ質のものは同じ質のドーシャを増やす」という原則があります。これに照らすと、地と水から成る甘味の食べ過ぎは、同じく地と水から成るカファ・ドーシャを増やすことになるのです。

バランスのとれた食事とは、6つの味をすべて含み、かつ食べる人のドーシャに応じてその比率を調整した食事を指すのです。バランスのとれた食事を調理するために、それぞれの味の特質を理解しましょう。

■甘味

甘味は重く、油分があり、体の熱をとる特質があります。ヴァータのバランスをとり、ピッタを鎮めます。少量の甘味は体にエネルギーとバイタリティーを与え、燃えるような熱感を鎮め、皮膚と髪によい効果を与えます。しかし甘味の食べ過ぎはカファを増やし、細胞の詰まり、咳、重さを引き起こします。

甘味を含む食品:牛乳、乳製品(バター、ギー、クリーム)、穀物(小麦、米、大麦)、豆(インゲン、レンティル)、甘い果物(バナナ、マンゴ)、野菜(ニンジン、さつまいも、ビート)など。

■酸味

ヴァータを鎮め、ピッタとカファを増やします。酸味は食欲増進・消化促進効果と体を温める効果があります。食べ過ぎは消化不良、胃酸過多、潰瘍を引き起こします。

酸味を含む食品:かんきつ類(レモン、ライム)、ヨーグルト、チーズ、サワークリーム、発酵食品(酢、ピクルス、醤油)など。

■塩味

ピッタとカファを増やし、ヴァータを減らします。塩味は温性で、重い質を持っています。少量の摂取は体にエネルギーを与え、成長を促し、保湿の働きをしますが、摂りすぎは高血圧、浮腫、潰瘍、胃酸過多の原因になります。

塩味を含む食品:塩

■辛味

ヴァータとピッタを増やし、カファを減らします。温性、軽い、乾燥しているという質を持っています。消化と血行を促進し、余分な脂肪を排泄するので、カファが増えすぎている人に適した味です。過剰な摂りすぎは炎症、いらつき、下痢、胸やけ、吐き気の原因となります。

辛味を含む食品:とうがらし、にんにく、玉ねぎ、黒コショウ、ヒング、ショウガなど。

■苦味

ヴァータを増やし、ピッタとカファを減らします。冷性、軽い、乾燥という質を持っています。摂りすぎは体力減退、疲労、めまいを引き起こします。過剰な熱をとるのでピッタのバランスをとり、消化促進、肝臓機能の向上という働きをします。

苦味を含む食品:葉物野菜(ホウレンソウ、キャベツ)、ズッキーニ、なす、ゴーヤ、レタス、春の山菜など。

■渋味

ヴァータを増やし、ピッタとカファを減らします。冷性、乾燥、重いという質を持っています。吸収、抗炎症の作用に優れています。摂りすぎは便秘、血行不良を招きます。

渋味を含む食品:豆類、果物(ざくろ、りんご、梨)、野菜(ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス、かぶ)、穀物(ライ麦、そば、キノア)など。

アーユルヴェーダによると、食事では穀物や豆などの甘味の食品を最初に食べるとよいとされています。甘味は重く消化に時間がかかるので、消化の火が十分燃えているうちに食べたほうがよいのです。次に酸味と塩味のものを食べます。続いて辛味、苦味、渋味のものを食べます。最後に気持ちに満足感を与え、感覚器官を喜ばすためにスイーツをほんの少し食べます。