コラム
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私たちは「あの人にこんなによくしてやったのに、ちっとも感謝してくれない」とか「先週、同僚の仕事を手伝ってやったのに、私が忙しいときには手伝ってくれない」と考えることがあります。だれでも経験したことがある気持ちでしょう。そう思うと気持ちがイライラし、相手が憎らしくなったりします。そうした感情についてDrサトヤナラヤナ・ダーサはどう答えているでしょうか。

アーユルヴェーダにおいては、健康を維持するために最も大切なことは食事だとされています。食べ物といっても幅が広いので、食べ物の味と感情の間に興味深い関係があることに焦点を絞りたいと思います。

トラウマから抜け出せず、何十年たっても苦しんでいる人々を何人も知っています。つらい経験を処理しきれず、記憶が未消化のまま潜在意識に沈殿しているのです。ヴェディック心理学の観点からDr.サトヤナラヤナ・ダーサは秀逸な回答をしています。

 

私がアーユルヴェーダの普及にかかわっているのは、人々が健康で幸福な一生を送るお手伝いをしたいからです。人々が健康で幸福な一生を送ることができるようにするのがアーユルヴェーダの目的です。目的はシンプルなのですが、アーユルヴェーダとは何かを説明することは容易ではありません。「アーユルヴェーダって額にオイルをたらすアレでしょ」という人もいます。たしかに額にオイルをたらす療法はありますが、それがアーユルヴェーダのすべてではありません。ボディーマッサージもアーユルヴェーダの一部にすぎないし、ハーブによるレメディーもアーユルヴェーダの一部にすぎません。では、アーユルヴェーダの全体像はどういうものなのでしょうか。

 

なんだか世界は不安定な方向に進んでいるようです。アメリカの新大統領はこれまでの大統領のイメージをひっくり返すようなキャラで、世界を不安に陥れています。経済は一国だけではうまくいかないのでみんなで運営していこうという、ここ10-20年来の世界コンセンサスを一蹴し、「自分が一番大事。他人のことは関係ない」というスタンスをあからさまに示しています。ヨーロッパでも同様の動きが始まっています。
たしかにね~。自分を肉体だと思っている私たち人間は、自分が一番大事です。知性が正しく働いている人は「自分が一番大事だけど、自分ひとりでは生きられないから、やっぱり周りの人も大事だよ」と考えることができます。
この知性が働かないと「ラーガとドゥエーシャ」ドツボにはまってしまいます。ラーガとは執着、私はこれが好きという感情。ドゥエーシャとは嫌悪、私はこれが嫌いという感情です。現在の世界の動きはまさに「ラーガとドゥエーシャ」一直線の様相を呈しています。
しかし、明るい光も見えます。職業を選ぶ基準として、お金よりも社会貢献を優先する人が増えていることです。お金がなくても構わないというわけではありませんが、自分の心をラジャスやタマスにしてお金を得るより、サトヴィックな仕事をして人の役に立ちたいというわけです。
この変化に連動しているかどうかわかりませんが、ヴェジタリアンも増えています。毎日がヴェジタリアンでないとしても、ときどきヴェジタリアン食で体をキレイにしたいと考えている人が増えているのです。
社会貢献気運やヴェジタリアン人気は、世界の不安定な動きのなかでバランスをとろうとする人間の魂の働きのような気がしてなりません。国も個人もラジャス・タマスに傾きすぎてはヤバイ!という意識が働き始めているのではないでしょうか。
意識は物質をつくるので、バランスをとろうとする意識が強まれば、物質の世界も変わるはずです。いまこそアーユルヴェーダとヴェーダ哲学が求められます。

 

これまでのカウンセリング経験のなかで過食に苦しむ人に何人かお会いしたことがあります。そのほとんどは幼児期のトラウマを抱えています。Drサトヤナラヤナ・ダーサ(ババジ)は非常に興味深いことを述べています。チッタは感情に日付スタンプを押してくれないというのです。過食の悩みにババジはどう答えたでしょうか。

 

【質問】

 

過食の問題にどう対処していいかわかりません。私は肥満です。ワークアウトしては、食べてしまいます。子どものころ性的暴行を受けたことがあり、親からはしょっちゅう殴られ、お前は無価値でバカだ、と言われ続けてきました。こんな私が癒されることなどあるのでしょうか?マントラを唱えていますし、セーヴァ(見返りを求めない奉仕活動)やヨーガをしながら「私はバクティ。私は愛。私には価値がある」と自分に言い聞かせたりしています。心理カウンセラーのところにも行きましたが、それでも何の効果もありません。

 

【Dr.サトヤナラヤナ・ダーサの答え】

 

あなたがこれまでに経験されてきた痛みと苦しみを悲しく思います。しかし、もうこれ以上苦しむ必要はありません。個人レベルにしても家族レベルにしても、あるいは国家レベルの問題にしても、社会問題を分析してみると、すべては愛の欠如から始まっています。愛の欠如は衝動、恐怖症、神経症、精神病など様々な心理的問題の根本的原因となります。心理的問題の多くは幼少期に十分な愛情を注がれなかったことが発端です。子どもの心は打ち砕かれ、その後の人生でもずっと苦しめられます。子どもの心はとても敏感で影響を受けやすく、トラウマ的な体験を処理したり消化したりできるほど知性がまだ発達していません。そのため親から言葉による虐待や身体的な虐待を受けた子どもの潜在意識には深い傷が残り、虐待から何十年が経過しても慢性的な恐怖や不安を感じるようになってしまうのです。そしてそのような恐怖や不安、ストレスなどの不安定な感情は不健康な行動を引き起こすようになります。
例えば、人は不安やストレス状態にあると過食になりがちです。食べるという行為は愛情を受けとる原始的な手段です。生まれたばかりの赤ちゃんが消化できるのは母乳だけです。母親は赤ちゃんに母乳を与えることで愛情を表現し、赤ちゃんは母乳と母の愛を同じものとみなします。赤ちゃんは何か不安を感じると泣き、母親は面倒をみて、母乳を与えます。赤ちゃんに何かを与えると、赤ちゃんをそれを口にもっていって食べようとします。これは本能です。このようにして、子どもは食べ物イコール愛情という心理を発達させます。
大人になると、人は不安(恐怖)やストレスのある状況に置かれると過食に走る傾向があります。食べ物は愛情であると学習してしまっているからです。必死に愛を得ようとして、食べるという行為に走ります。愛情の飢餓感を穴埋めするかのように食べてしまいます。そして愛情の欠乏感と不安が増大すればするほど食べる量は増え、無意識的にその空虚感を埋めようとします。しかし食べ物では決して満たされることはありません。根本的な原因は心と潜在意識(チッタ)にあります。事実、私たちの苦しみの全てはこのチッタから始まります。
チッタは経験や感情の貯蔵庫のようなものです。何年前のことであっても、過去に経験した感情が強烈なほど、現在のあなたの心を支配するようになります。両親からの精神的および身体的な虐待が非常につらい体験としてあなたのチッタに刻まれ、あなたは今もなお幸福感や安心感を得られないでいるのです。ずっと昔のことであっても、現在のあなたを苦しめています。チッタは現世と過去世のあらゆる記憶、感情、思考を蓄える驚くべき容量を持ち合わせているものの、「時間」を記憶することはありません。
これが意味することは、あなたが両親に虐待されていたのが20年前だとしても、チッタはあなたの感情に日付スタンプを押してくれないということです。つまり20年前に感じた不安や自己無価値感を現在の感情として感じるのです。チッタは「ねえ、もう不安にならなくてもいいんですよ。それは昔の記憶で、いま起きていることではないのだから。もう虐待なんてされていませんよ、だからもう大丈夫」とあなたに伝えることができないのです。できたとしたら、私たちはもっと心安らかに生きられたでしょう。しかし現実はそうではありません。人間の大半は過去世の経験からもたらされた感情によって支配されていますが、それに気づいていません。
ですから、あなたが自分の抱えている問題を認識し、助けを求めているというのは素晴らしいことです。それが最初の一歩です。今から心と感情をコントロールするための実践的なステップをお伝えしますので、やってみてください。

【実践的エクササイズ】

 

他の習慣や中毒にも言えることですが、過食は簡単に克服できるものではありません。過食が習慣になり何百回、何千回もこれまでに繰り返されたとなると、これを破るにはその三倍の努力を要します。心の赴くまま好きにさせてしまうと過食を止めることはできません。心にとってそれが居心地の良い状態(コンフォートゾーン)になってしまっているからです。また、あなたの自我(エゴ)は変化や新しいものを好まず、心が過食へ向かうのを助けています。心と自我は、二人組の愚かな犯罪者のように、一緒になってあなたを身動きの取れない状態に陥れ、惨めにさせるのです。

 

この状態を治癒するために、次のことをしてみてください。
1.違うストーリーを自分自身にする

心の一部である「ブッディ」すなわち知性の助けを借りることが必要です。ほとんどの場合と同様、現状下のあなたのブッディは眠っているか、まるでイエスマンのように振る舞うかのどちからしかしていません。現在のブッディは最大限の力を発揮しておらず、物事の良し悪しを判断できず、そして、いくら食べてもその中にあなたが求めているものを見出すことはできないのだから、愛を得るために食べ続けるのは良くないことだと心と自我に伝えずにいます。しかし本来のブッディは、こうした不安の感情がリアルかつ強烈だったとしてもそれははるか昔の感情の残りにしかすぎず、今のあなたは大丈夫なのだとあなたに教えることで、チッタから湧き上がる記憶や感情をコントロールすることを助けてくれる力を持っているのです。あなたはもはや逃げる術を持たない無力な少女ではありません。今のあなたは、親から心理的・身体的な虐待を受けてはいないのです(そう願います)。
不安や恐怖、無価値感、あるいはネガティブな感情でいっぱいになったらブッディの力を借り、次のように自分に言ってください。「私を操っているのは昔の感情であり、私はもうそれを信じないと決めた。私は愛情深い優しい人間であり、自分の高い知性をネガティブな感情をコントロールするために使っている。だから、これからは自分自身が嫌いになるような行動はとらない」と。

 

2.気づきの力を使う

ブッディは気づきの源であり、自分が「ここにいる」と感じる源でもあります。スナック菓子でも何でももう一回食べたくなったら、自分の行動を認知しながら行ってください。具体的に言うと、自分は過食をしていると自覚して行うということです。食べるときに五感の全てを使うようにします。ゆっくりやりましょう。テレビを消すなどして、周りに気が散るものがないようにしてください。食べ物だけと向き合います。それはあなたの目にどう映るでしょうか?どんなものに見えますか?最初の印象はどうでしょうか。色を観察してみましょう。形や手触りはどうでしょうか。食べる前に匂いを嗅いでみます。ゆっくりと。どんな匂いがしますか?次に触ってみます。初めて触るかのように触ってみてください。指に神経を集中させてください。その食べ物の感触で始めて気づいたことは何かありますか?まだ食べてはいけません。

 

では次に、食べる前にシュリ・クリシュナのことを考えます。椅子を用意し、クリシュナがあなたの傍に座ると想像して場所をセッティングし、そして話しかけてください。クリシュナの愛があなたの心に入ってくるのが感じられるでしょうか。次にその食べ物をクリシュナに捧げます。心から捧げてください。どんな食べ物なのか、外観、香り、感触で気づいたことを伝えます。あなたが静かに椅子に腰かけているあいだ、クリシュナがその食べ物を楽しんでいると想像してください。呼吸に意識を集中させ、長く、深く息を吸い込み、クリシュナの存在と愛を取り込みます。クリシュナが食べ終えたと感じたらゆっくりと、意識して、次はあなたが一口それをつまんでください。クリシュナがあなたの傍におられると感じながら、プラサーダを食べる自分自身を観察します。どんな味がしますか?ゆっくりと噛んでください。シュリ・クリシュナがあなたに寄り添い、あなたの心の中にも住んでいると思いながらこのエクササイズを続けてください。

人は自分の意に沿わない事態が起きると、失意に陥ります。Dr.サトヤナラヤナ・ダーサは、期待に執着することが落胆を生むと言っています。Dr.サトヤナラヤナ・ダーサはその解決法を教えてくれます。

怒りは自分に対して辟易とさせ、自分を疲れさせます。それがわかっているのに、コントロールできないのが怒りという感情です。不正義に対しては怒りを感じる必要があるかもしれませんが、あくまでもコントロールできる怒りでなければなりません。ジヴァ・アシュラムのDrサトヤナラヤナ・ダーサは、怒りのコントロール法を教えてくれています。

アーユルヴェーダによると、体レベルの病気は胃から始まると言われています。あくまでも体レベルでの病気の表出のことです。病気の根本原因はいろいろあります。たとえばメンタルストレスが根本原因かもしれません。メンタルストレスが強まると、コルチゾールやノルアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンは交感神経を優位にします。交感神経がつねに興奮していると消化力が低下します。消化力が低下すると胃のなかに未消化物がたまり、それが毒素となって体の病気を引き起こします。体レベルの病気は胃から始まると言われる理由はそこにあります。


私達は人の行動から影響を受け、自分の幸福を阻んでいるものは他人だという考えに陥ります。しかし、人の行動が変化したとしても、人の行動によって自分を幸福にすることはできません。 Drサトヤナラヤナ・ダーサはヴェディック心理学の観点からそれを教えてくれています。

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