コラム
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アトピー性皮膚炎の人をよく見かけます。「こうしたらいいですよ。試してみてください」と話しかけたい衝動に駆られるのですが、見知らぬ人に突然声をかけるわけにもいかず、あきらめないわけにはいきません。仮に話しかけたとしても、「あなたアトピーですね。ピッタを下げましょう」と言ったら、相手はこちらの不審な言動に怖気づくでしょう。話は横にそれますが、春先の花粉症に苦しんでいる人に「ジンジャーパウダーと黒コショウをそれぞれ小さじ4分の1ずつ容器に入れ、ハチミツを適宜混ぜたものを1日3回食べると、花粉症の症状が緩和されますよ」と言うことがあります。ところがたいていの人は「この人なに言っているの? そんなもので花粉症が治るなら苦労はしない」という顔をし、「ハハハ」と笑われます。せっかくアーユルヴェーダの秘密を教えてあげているのに。

ここ数年来の健康への関心の高まりはヨガブームを引き起こし、ついにはアーユルヴェーダにも波及し始めています。これまで日本では、アーユルヴェーダは「知る人ぞ知る」存在だったのですが、いまやドーシャやダートゥといった言葉が巷のヨガ雑誌にあふれています。長年アーユルヴェーダを日本に普及させたいと願ってきた筆者としては、うれしい現象です。今のブームが下火になるとしても、ほんものを知る人が着実に増えていくことは、このうえなくうれしいことです。

アーユルヴェーダの代表的古典教科書である『チャラカ・サンヒター』はこう記述しています。「食べ物は命である。正しく食べれば若さと長寿を約束するが、間違った食べ方をすれば体内に毒素をつくり、いずれ死をもたらす。」 アーユルヴェーダは、多くの病気の根本原因は間違った食事と生活スタイルにあると考えています。病気を患っている人が健康を取り戻したり、健康な人がいつまでも元気でいるためには、その人の体質に適した食事や生活スタイルを大切にしなければなりません。

ジャパン・アーユルヴェーダ・グールクラのオイルマッサージ専門家コースで研修を受けていた方たちがオイルマッサージの専門家としてデビューしました。お金を頂戴するということは緊張が伴うものです。その緊張と真剣さが成長と進歩を促すのです。6ヶ月間研修してきた成果が今日現れたのです。6ヶ月間でよくここまで身についたものだと思います。

アーユルヴェーダが妊娠中の食事をとくに重視しているのは、食べ物が胎児の健康と発達に直接関係しているからです。正しくない食事やバランスを欠いた食事は胎児の先天性異常の原因となりえます。ビタミン、ミネラル、たんぱく質を適切に含むバランスのとれた食事は胎児の3つのドーシャのバランスをとり、母親の7つのダートゥ(体内組織)に栄養を与えます。

アーユルヴェーダは、皮膚は6層から成っていると考えています。その層は体の表面だけにあるのではなく、体の深いレベルにまで達しています。皮膚病は体の表面だけの疾患ではなく、脂肪、筋肉、血液などの体内組織に根本原因があるのです。皮膚病に対する一般的な対処方法は外用薬を塗ることですが、それだけでは皮膚の深い層に届きません。そのため完治がむずかしく、再発を繰り返すことになります。食品に添加されている化学物質も皮膚病を複雑なものにしています。ストレスも皮膚病の一因と考えられています。

ラサーヤナは健康を増進し、老化のプロセスを遅らせるセラピーです。「ラサ」とはメディカルハーブの質のこと、「アヤーン」とは道のことです。この2つの言葉から成るラサーヤナは、免疫力を高め、健康かつ幸福に導く道という意味です。ラサーヤナ・セラピーの目的は2つあります。健康な人の健康維持と病気の治療です。そのためにラサーヤナセラピーが目指すことは、アグニ(消化の火)を正常に立て直し、新しい細胞と組織の発生を促すことです。新しい細胞や組織の発生を促すことによって、老化に伴う各種の衰えを取り除くことができるからです。アーユルヴェーダの代表的な古典教科書を編纂したチャラカは「ラサーヤナセラピーを受けることによって長寿、記憶力、知性、健康、若さを保つことができる」と述べています。ラサーヤナセラピーは顔のつや、皮膚の健康な色、はりのある声、五感の鋭さ、運動器官の強さ、はりなどを与えてくれます。心身ともに若々しくいきいきとした人たちの社会をつくることがアーユルヴェーダの究極の目的です。

春は心がうきうきする季節。でも花粉症の人にとってはユーウツな季節でもあります。なぜこんなに花粉症に苦しむ人が増えたのでしょう。かつてのスギの植林運動の結果、スギやヒノキが増えすぎたためとか、大気汚染との複合汚染だとか、寄生虫がほとんどいなくなったため、本来寄生虫に反応すべきアレルギー抗体がスギやヒノキの花粉に反応してしまうため、とかいろいろな説が言われています。原因はともかく、なぜ花粉症が発症する人としない人がいるのでしょう。一つの大きな理由はカファに関係しています。春はカファが増悪しやすい季節です。花粉症をはじめとする鼻炎はカファの増加が大きな原因の一つなのです。花粉症による鼻炎や目のかゆみなどの症状が出る人は、まずカファを減らすことから始めましょう。

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ジャパン・アーユルヴェーダ・グールクラのベーシック講座の校長であるインドのジヴァ・アーユルヴェーダのドクター・パルタップ・チョハンのクリニックは北インドのファリダバドにあります。ここを2年ぶりに訪れました。インドではいま、アーユルヴェーダがブームになっています。欧米や日本で大ブームになっているヨガが本家のインドに逆上陸し、ブームを巻き起こしているのと同じ構図です。アーユルヴェーダも欧米で注目されていることを受けて、インド国内でブームが始まっているのです。ドクター・パルタップ・チョハンはバリバリのアーユルヴェーダ臨床医です。専門は生薬です。彼のクリニックには地元の人たちも来ますし、海外からも訪れます。欧米の医者が、西洋医学では治せない患者を送ってくることもあります。

体の質にヴァータ、ピッタ、カファの3種類があるように、心にも3種類の質があります。それはサットヴァ、ラジャス、タマスと呼ばれています。すべての人はこの3つの心の質を持っています。サットヴァは好奇心、考える力、計画する力、起床する意欲を与えてくれます。ラジャスは組織を作り変える力、働く意欲、物事を推し進める力、物事を具現化する力を与えてくれます。タマスは休息したい気持ち、止まる力を与えてくれます。もし止まることができなければ、一生動き続けなければなりません。なにかのプロジェクトを立ち上げるときを例にとってみましょう。

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