ジヴァのヴェーダ哲学者であるドクター・サトヤナラヤナ・ダーサは、感情に関するいろいろな質問についてヴェーダ心理学の観点から答えています。下記は不安感に関する質問と、それに対するドクター・サトヤナラヤナ・ダーサの回答の抄訳です。みなさんとシェアします。

 

【質問】

私は人前で話すと上がるスピーチ不安をもっています。この社会不安障害は10代のときに始まりました。会議でプレゼンテーションをするときが特にひどく、集中力に欠け、自然な態度をとることができず、不安感に押し潰されそうになります。どうしたらスピーチ不安から解放されるでしょうか。

【回答】

どんな状況も学びと進歩と自分を強くする機会を与えてくれる。人前に出ると上がる社会不安障害もポジティブにとられることができる。浄化の行いなのである。このことが理解できれば、自己認識がクリアになるだろうし、なにをしても冷静さを保つことができるだろう。ストレスに対応する方法として、バガヴァッド・ギーターにはこう書かれている。「避けられないことに心を煩わされるな」(ギーター2.27)。ストレスはしばしば自分の無知から起きる。だから解決法は、正しいことと間違っていることを区別する自分の力を正しく使うことにある。

 

我々は、ネガティブな結果を予想するときに不安感を持ち始める。しかし、そうした不安感は無意味であるし、何ももたらさない。むしろ有害であるし、自己達成預言(予想したとおりの結果になる)のワナにはまることになる。一呼吸おいて自分に問うべきだろう。「この不安感は、自分の目標に到達する上で助けになるのか、あるいは不安感を抱くことによって想像上の障害や真の障害を超越する助けになるのだろうか。」 答えは多くの場合「ノー」だろう。では、なぜ不安感を抱くのか? バガヴァッド・ギーターのなかでクリシュナ神はこう語っている。「だれもが経験するであろう逆境に直面してもなおバランスを保つべきである。」

 

しかし、これを実行することはむずかしい。明晰な人ほど歯がゆい気持ちになるだろう。ヴェーダ哲学を熱心に学んでもなお心に支配されるからだ。心が出来事や思考に過剰反応するたびに、あなたは問題の原因がサムスカーラにあるとことに対して疑念を抱くかもしれない。サムスカーラとは潜在意識に蓄積された過去の出来事の記憶であり、いまの感情を誘発しているものだ。その過去の出来事はずっと昔に起きたことかもしれないし、前世で起きたことかもしれないというのに。

 

サムスカーラは現在の出来事によって誘発され、古い記憶と似た感情を呼び覚ます。古い記憶のファイル(サムスカーラ)が潜在意識の中から呼び覚まされたときに、心はサムスカーラに溢れ、過去のつらい感情に圧倒される。あなたのスピーチ不安はサムスカーラが働いているのかもしれない。サムスカーラが誘発されたかどうかを知るための方法を試してみるとよいだろう。これはサムスカーラをコントロールするための方法でもある。

 

実践方法

  1. 何かに恐怖心や不安感を抱いた子供のころを思い出す。
  2. それを書きだす。
  3. 書きだしたことを読み返し、そのときの自分の感情を書き加える。
  4. 目を閉じて深呼吸を3回行う。リラックスする。書きだした出来事を思い出し、恐怖感や不安感を追体験する。目を閉じたまま、自己の内部を見る。体のどこでその感情を感じているのかをみる。感情を完全に自覚する。
  5. サムスカーラに気づき、それに関連する感情を感じることができるようになったら、将来サムスカーラが起動したとしても、それをとらえることができるようになる。自己認識は、自分を圧倒しようとする感情をコントロールするカギである。
  6. 今後、人前で話をしなければならない時がきたら、知性を使って自分自身に語りかけるとよい。「この不安感は過去の記憶から来ているものであり、今とは関係がない」と。かつて起きた出来事に過剰反応する必要はないのだ。心の本能的な部分を使って過去の思考や感情に気持ちを向けるよりも、知性を使って今ここにいる自分の呼吸に集中しなさい。
  7. 深く息を吸い、深く息を吐くこと。地に足が着き、今ここの静けさを感じるだろう。

 

そして、あなたは行為者ではないことを忘れてはならない。今に集中し、結果を気にしてはならない。行うべきことを行い、結果について不安になってはならない。

 

★ドクター・サトヤナラヤナ・ダーサは7月に来日し、スピリチュアル・リトリートを開催する予定です。