子育て中のしつけを含む親業についてはどの国の親も悩みを抱えています。日本では、昔は近所の人生達人が相談に乗ってくれましたが、地域社会が機能していない都会では相談に乗ってくれる人が少ないのが実状です。そんな悩める母親に対してDrサトヤナラヤナ・ダーサはヴェディック心理学の観点から答えています。

★Drサトヤナラヤナ・ダーサは7月に来日して、ドクター・パルタップとのジョイントで「体と心の浄化リトリート」を行います。また、ヴァータの智慧セミナーも開催します。http://www.jivajapan.jp/seminar/2335.html

 

【質問】

6歳の息子の子育てについて悩んでいます。息子は人の言うことを聞こうとせず、学校でも注意散漫で浮いています。今日もこんなことがありました。

 

今朝も息子は遊びに夢中で、なかなか顔を洗おうとしませんでした。私は「いま顔を洗うなら手伝ってあげるけど、ぐずぐずしているなら手伝ってあげないわよ」と言いました。息子は顔を洗いませんでした。

息子は学校から帰ると、庭で遊びたいと言い出しました。私は「遊ぶのはいいけど、あったかい格好をしなきゃだめ」と言いました。外はマイナス15度の寒さだったからです。息子は私の言うことを聞こうともせず遊び続け、20分後にようやく家のなかに入ってきました。私は「もう外に行ってはだめ。体を温めなきゃ」と言いました。息子は「スケートを練習しなくちゃならないんだ」と言って、自分で服を着てまた外に行きました。「スケートばっかりでママの言うことを聞かないんだったら、スケートを捨てちゃうわよ」と言うと、息子は「どうしてもスケートをしたい」と言って出ていきました。

私と夫は子供に厳しすぎ、同時に不安定なのでしょうか。息子の視点から見れば、私は「これをしちゃダメ」が多すぎるのかもしれません。一方で、甘やかしすぎかもしれないという気持ちもあり、どうしていいかわかりません。親業に関して冷静でありたいと思いつつも、怒りを抑えられず、ついつい息子を怒鳴りつけてしまう私です。

 

【Drサトヤナラヤナ・ダーサの答え】

バクティヨーガでは、すべての行いは神が見ていると考えます。何か行いをするときには「私は神様を喜ばすためにこれを行っている」「私は神様のためにこれを行っている。私は息子を育てるように神様から任命されたのだ」と考えることです。あなたに何が起きようとも、そこに神の恩寵を見ることです。この感情はあなたの内部から湧き出るものでなければなりません。それが気づきです。そしてこう考えることです。「神様が私に何かを教えてくださっている。何を教えてくださろうとしているのかしら? 抑えられない怒りは、私の心の質について深く知る良い機会なのではないだろうか」

人生は一つの劇なのです。見えざる神はすべての出来事の行為者であり、つねにあなたに教えを与え、あなたを見守っています。『バガヴァッド・ギーター』のなかでクリシュナ神はアルジュナにこう言っています。「あなたがすべきことは義務として行い、それに執着してはならない。」 結果に思い煩ってはいけません。息子がどう反応しようとも、あなたの感情はつねにバランスがとれていなければなりません。さらに大事なことがあります。あなたが子供に怒鳴りつけると、子供の傷つきやすい心にサムスカーラ(印象)として刻まれ、彼の今後の人生に怒り、恐怖、目上の者を敬わないという困難な感情を作り出すことになります。

あなたは、そんなことは知っていると思っているかもしれません。しかし、知っていることと実践は別の話です。スピリチュアリティーは実践しなければなりません。そうでなければスピリチュアリティーではありません。あなたが直面している困難を、スピリチュアリティーを理解し正しく実践するための好機とすることです。

 

 【実践的プラクティス】

あなたの心と息子さんに実践的に働きかける方法を紹介します。

  1. 息子さんの特別かわいい写真を一枚選びます。写真の前で腰かけ、キャンドルを灯し、写真を5分間みつめます。あなたのハードが息子さんへの愛とやさしさで満たされるのを感じましょう。息子さんは神からの贈り物であり、つねに慈しむべき存在と感じましょう。
  2. 5分間写真をみつめたら、息子さんがいかに貴重であるかをノートに書き留めます。息子さんのどんな質をあなたは慈しむのかも書きだします。
  3. 愛に溢れたあなたの心がいかに感じているかに気持ちを向けましょう。息子さんがどんな行いをしようとも、彼に対して怒りをぶつけたり、怒鳴ったりしないことを心に誓います。あなたにとって息子さんがいかに大切であるかを本人に話し、怒鳴ったことを謝りましょう。今後は決して怒鳴らないことを誓い、あなたの気持ちが動揺したときには別の方法で対話を試みることを明言しましょう。息子さんと夫にも宣誓書にサインをしてもらいます。宣誓書を目につく場所に置き、感情のコントロールに役立てましょう。
  4. 学校で集団行動ができないのであれば、注意欠陥多動性障害(ADHD)の可能性も否めません。ADHDの子供をもつ親はつねにストレスにさらされています。ADHDかどうかは別としても、落ち着きのない子供には短期的なガイダンスを一つだけ与えることが大事です。子供の注意を向けさせるために、話すときには子供と目線を合わせ、あなたの手を子供の肩に置いたり、手を握ることも大切です。あなたが抱いている感情を息子さんに話し、何をしてほしいのか、そして手伝う用意があることを告げます。たとえば、息子さんが外にいる場合には、彼のところに行ってしゃがんで手を握り、目をみてこう言いましょう。「ママが心配しているのは、外が寒いからなの。温かいズボンをはいたらまた外で遊んでいいわよ。」 うちまでかけっこしない?と言ってもいいかもしれません。
  5. もし息子さんが素直に従わないなら、いますぐ家に入るか、2分後に家に戻るか自分で決めてと言うのもいい方法です。子供は選択肢をもつことが好きだからです。2分間遊びたいと言ったら、あなたもそばにいて、2分たったら「2分がたったわよ」と言います。しゃがんで目線を合わせ、手を握ります。
  6. 息子さんが家に入ったら、「あなたが約束を守ってくれてうれしい」とはっきり言いましょう。親というものは、悪さをしている子供を叱りたがるものです。いま行っていることに注目したいのなら、いいことをしている子供に注目して褒めてあげましょう。いいつけを守って褒められる誇らしさを知ったなら、子供はそれを続けていくでしょう。