世の中のジャンクフードの氾濫は目に余るものがあります。「そんなものばかり食べていたら、体も心もヨロヨロになるわよ」と言いたいのですが、知らない人やテレビの画面の向こうの人にそういうことを言うわけにもいかず、「あらー、よくそんなものを食べるわね」と思うばかりです。アーユルヴェーダスクールを通して手の届く範囲の人々に、食が体と心に及ぼす影響を理解してもらうしかありません。アーユルヴェーダスクールでは当然のことながらアーユルヴェーダ食を提唱しているのですが、「アーユルヴェディック食ってどんなものなの?」と思われるかもしれませんね。多くの人は、野菜と果物だけを食べることをアーユルヴェーダ食と思っているかもしれません。
アーユルヴェーダによると、完全なるアーユルヴェディック食とは、消化しやすく、身体組織(血漿、血液、筋肉、脂肪、骨、骨髄、生殖組織)を滋養し、体内毒素(アーマ)を作らず、ドーシャのバランスを崩さない食事を意味しています。万人に適用することを前提とした現代栄養学と異なり、アーユルヴェーダの栄養学は個々人にカスタマイズした栄養学なのです。一人ひとり体質が異なるから、食べるものも異なるという考え方です。
自分の体質に適した食べ物を知ろう
アーユルヴェーダは、ヴァータ、ピッタ、カファと呼ばれる身体エネルギー(ドーシャ)のバランスを取ることを重視します。人によってこの身体エネルギーの比率は異なり、ヴァータの比率が高い人もいれば、ピッタの比率が高い人、あるいはカファの比率が高い人もいます。身体エネルギーの比率が体質となって現れるのです。自分に合った食べ物を知るためには、自分の体質を知ることが先決です。体質を知るには体質診断表をご利用ください。http://www.jivajapan.jp/item.html
バランスを維持する
自分の体質がわかったら、どういう食べ物が自分に適しているか、どういう食べ物が自分のドーシャを過剰に増やすかがわかるようになるので、バランスのとれた健康を維持することができるようになります。ドーシャについては、「同じ性質のものは同じ性質のドーシャを増やし、反対の性質のものはドーシャを鎮める」という原則があります。自分の体質がわかると、この原則を自分に応用することができるのです。たとえば、自分の体質がピッタ体質だとすると、辛い食べ物やスパイスはピッタをさらに増やし、反対に水はピッタを鎮めるという原則を自分に当てはめることができるようになるのです。
同じ食べ物でも、体質によって良く働くこともあれば、悪く働くこともあります。たとえば、辛いスパイスはカファ体質には適していますが、ピッタ体質には問題を引き起こす可能性があります。油分があって滑らかで重い食べ物はヴァータ体質には向いていますが、カファ体質には体調不良のもとになるかもしれません。
| 体質別適した食べ物 |
ヴァータ体質 |
ピッタ体質 |
カファ体質 |
| 野菜・果物 |
人参、なす、オリーブ、かぼちゃ、大根、ほうれん草、ズッキーニ、バナナ、さくらんぼ、もも、デーツ、マンゴ、パパイヤ、ぶどう、パイナップル |
ブロッコリー、スプライト、キャベツ、カリフラワー、きゅうり、レタス、マッシュルーム、グリーンピース、じゃがいも、ズッキーニ、りんご、バナナ、デーツ、ココナッツ、ぶどう、マンゴ |
ブロッコリー、スプライト、キャベツ、カリフラワー、人参、セロリ、グリーンピース、なす、レタス、大根、ほうれん草、りんご、さくらんぼ、もも、梨、ざくろ |
| 穀物 |
米、オートムギ、小麦 |
大麦、オートムギ、米、小麦 |
大麦、ライ麦、粟、そば |
| 乳製品 |
乳製品すべて(量は抑える) |
無塩バター、ギー、牛乳、バターミルク |
スキムミルク、バターミルク、やぎミルク |
| ハーブ・スパイス |
ヒング、バジル、クローブ、カルダモン、シナモン、コショウ、フェンネル、にんにく、ねぎ、しょうが、ターメリック |
カルダモン、コリアンダー、クミン、フェンネル、レモングラス、ミント、ローズ、ターメリック |
スパイスすべて |
| 飲み物 |
温かい飲み物。ハーブ/スパイスティー、ホットミルク、果物/野菜ジュース(氷は入れない) |
冷たい飲み物(氷は入れない)。水、ココナツウォーター、果物/野菜ジュース。牛乳は温める |
温かい飲み物。ハーブ/スパイスティー、ホットミルク、果物/野菜ジュース(氷は入れない) |
アーマを溜めない
自分の体質に合わない食べ物を食べ続けると、消化力が落ち、アーマと呼ばれる体内毒素ができます。それを排泄しなければ、ドーシャのバランスが崩れ、結果的に病気を引き起こす可能性があります。アーマが関節に溜まると関節炎に、肺に溜まると喘息に、心臓に溜まると心筋梗塞が起きるかもしれません。
アーユルヴェーダの代表的な古典教科書であるシュスルタ・サンヒターには「ドーシャ、アグニ(消化の火)、ダートゥ、排泄システムのバランスがとれている人は、体、心、感覚器官のレベルで幸せに満ちる。そういう状態を健康と言う」と述べられています。一層の健康と幸せと心の平安を求めるなら、自分の体質に合った食事をすることが大切なのです。
アーユルヴェーダを生活に取り入れ、またプラクティショナーになることを目指すための本コースは2012年1月から次期が始まります。
http://www.jivajapan.jp/school
NHKの「ためしてガッテン」が腰痛をとりあげていました。腰痛の主な原因がなんだかご存知ですか。腰痛から連想するのは椎間板ヘルニアでしょう。いいえ。椎間板ヘルニアは腰痛の原因の7%にすぎないんですって。なんと腰痛の85%は原因不明なのだそうです。腰骨を検査しても、なにも悪いところがみあたらないのです。原因を追究した結果、原因不明の腰痛は脳と関係していることがわかってきました。つまり腰痛はストレスと関係しているのです。脳には側坐核という神経細胞の集団があります。側坐核は痛みを抑える働きをしているのですが、ストレスによって側坐核の機能が弱まり、痛みを制御できなくなるのです。痛みは主観的なものです。自分の痛みと人の痛みを比べることはできません。「すごく痛い」と感じるか「たいした痛みではない」と感じるかは人によって違います。側坐核の痛みを制御する機能の強弱に関係しているのかもしれません。
腰痛がストレスと関係していることは以前から知られており、アメリカではその研究が進んでいます。日本では10年ほど前に「腰痛は怒りである」(長谷川淳史著)という本が注目を集めました。腰痛はストレス=怒りに関係していることを著した本です。脳の観点から言えば、ストレスが側坐核の機能低下を招き、本来なら少しの痛みであっても、それを強い痛みに増幅させているという理論なのですが、心の観点からみると、痛みによってストレスやトラウマや怒りを忘れたいという心の働きがあるのです。不思議なことに、脳は複数の異なる痛みや不具合を同時に感知しないのだそうです。腰に痛みがあれば、心の痛みを感知しなくて済むわけです。心の痛みを覆い隠すために腰痛が必要なのです。心にストレスやトラウマや怒りなどのマイナス感情がある限り、腰痛は治らないということになります。
今を生きよう
多くの人が過去の体験の記憶にとらわれて苦しんだり、未来に対して必要以上に不安感を抱いて悩んでいます。あるいは、完璧な自分になりたい、人からよく思われたい、これまで築いてきた地位を捨てたくない、人から無視されたくないといった、自分に対する負の執着もストレスの原因になります。こうした過去や未来や自分に対する負の強い執着が心のバランスを崩す要因の一つだとアーユルヴェーダは言っています。どんなに過去のトラウマにとらわれようと、どんなに未来に不安感を抱こうとも、人間はどんなに頑張っても100歳前後までしか生きられません。宇宙の歴史からみたら、ほんのわずかな一瞬です。1秒にも満たない一瞬に過去も未来もありません。「現在」しかないのです。現在をよく生きることがすべてなのです。今日、現在をよく生きることができれば、明日も現在をよく生きることができます。自分がしたいこと、するのが使命だと思っていることを、臆することなくワクワクしながら精一杯することが大切なのです。
そうしたら心のバランスは自然に戻ってきます。心がバランスを取り戻したら体もバランスを取り戻します。気がついたら腰痛はなくなっているはずです。
アーマも除こう
心のバランスを崩したときに体に現れる病気は腰痛とは限りません。よく知られているのは胃腸ですね。ストレス性胃潰瘍はだれでも知っている病気です。ストレスが腰の痛みとして現れる場合、腸周辺部にアーマと呼ばれる体内毒素がある可能性があります。このアーマを取り除くことも腰痛対策に大切なことです。
アーユルヴェーダには腰痛を改善するカティバスティという療法があります。心のバランスの改善、アーマの除去、カティバスティ、便秘の解消。。。。アーユルヴェーダの腰痛への取り組みは多様です。
アーユルヴェーダを生活に取り入れ、またプラクティショナーになることを目指すための本コースは2012年1月から次期が始まります。
http://www.jivajapan.jp/school