ドクター・パルタップのゴールデンウイークのジャパンツアーが終了しました。ドクター・パルタップの講座からはいつも深い気づきを与えられます。今回も深い気づきがありました。アーユルヴェーダはアーユルヴェーダというしかないということです。


アーユルヴェーダって何?と聞かれると「インド発祥の伝統医学」と答えてしまいます。たしかにアーユルヴェーダは医学として発展してきたので、答えとしては間違っているわけではありません。アーユルヴェーダの神様であるダンヴァンタリ神は医学の神様とされています。
しかし「医学」という言葉を使うと、私たちが慣れ親しんでいる現代医学の概念をイメージしてしまいます。この病気にはこのクスリという考え方です。発熱には解熱剤を投与、下痢には下痢止めを投与という対症療法の考え方が現代医学の基本にあります。高血圧には降圧剤、メンタル疾患の急性期には心を眠らせる向精神薬と投与するというのはアロバシー(対症療法)の考え方です。
一方、アーユルヴェーダはアロバシー(対症療法)ではないと言われています。アーユルヴェーダは病気の根本原因を取り除くことを第一に考える科学です。そして、人間の体、心、魂の全体をみる科学です。
ところが、ドクター・パルタップが言うには、アーユルヴェーダの世界にもアロバシーの考え方がじわじわと浸透しつつあるのだそうです。生理不順にはシャタバリ、便秘にはトリファラという具合に、「この病気にはこのクスリ」というアロパシー的考え方が広まりつつあるというのです。
ドクター・パルタップは「それではアロパシーと何ら変わらない」と言いました。なぜ生理不順なのか、なぜ便秘なのかの原因をみつけるのがアーユルヴェーダなのです。その原因はライフスタイルにあるかもしれないし、サーカディアンリズムに則さない生活にあるかもしれないし、心に原因があるかもしれないし、潜在意識(チッタ)に刻まれたサムスカーラにあるかもしれません。それをみつけ、根本原因を取り除くのがアーユルヴェーダなのです。
生薬の作り方を知るのも大事ですが、もっと大切なことは、病気の人の体と心と魂の全体をみることです。それがアーユルヴェーダです。なので、アーユルヴェーダはアーユルヴェーダというしかないのです。
世界には伝統医療がたくさんありますが、たいていは中医学とかチベット医学といった発祥地の名前がついています。インド発祥の伝統医学ならインド医学といえばよいのに、「アーユルヴェーダ」という名前がついています。アーユルヴェーダは「インド発祥の伝統医学」にとどまらない、広くて深い人間科学と言ったほうが正確なように思います。