「医食同源」はアジアに共通した考え方です。食べ物は正しく消化吸収されれば薬になるし、正しく消化吸収されなければ毒にもなります。アーユルヴェーダは食べ物の消化吸収をとても重視しています。消化された食べ物は栄養に富んだ液体となり、体内組織(ダートゥ)に栄養を供給します。筋ジストロフィー、多発性硬化症、神経障害、骨粗しょう症、貧血など体内組織の不足に関係した病気は、食べ物の消化吸収が正しく行われていないことに根本原因があります。


消化しきれない食べ物は体内組織の不足を招くだけでなく、「アーマ」と呼ばれる体内毒素を作り出します。アーマが体内に蓄積すると、倦怠感、恒常的な眠気、微熱、体の痛み、食後の胃の重み、かかとの痛み、便秘、むくみ、おなかのガス、舌苔、便に粘膜が混ざる、などの症状が現われます。リューマチ性関節炎、高コレステロール、喘息、筋肉の炎症、下痢、腸の炎症、胃のカンジタ、子宮筋腫、ガンなどの病気もアーマに関係しています。それほど消化は大切なのです。
アーユルヴェーダでは消化の火はアグニと呼ばれ、13種類あると考えています。そのなかで食べ物の消化を司っているのは「ジャターラグニ」と呼ばれます。余談ですが、数年前、インドとパキスタンの間で紛争があったとき、インドがパキスタンに向けて発射したミサイルの名前は「アグニ」でした。「さすがインド!」と筆者は妙なところに感心したのでした。アーユルヴェーダの8科目のなかに「カヤ・チキーシャ」という科目があります。内科に相当する科目ですが、カヤは消化の火、チキーシャは治療という意味です。つまりカヤ・チキーシャは消化の火を立て直すことを目的とした治療を行う科なのです。それだけジャターラグニが重要だということです。アーユルヴェーダのマッサージ療法(アビヤンガ)や毒素排泄療法(パンチャカルマ)は世界的に知られていますが、その目的は消化の火を立て直すことにあります。どんな病気の治療もまずは消化力を十分に強めなければなりません。アーユルヴェーダ医師が患者をみるとき、消化力の強弱をまっさきに調べるのはそのためです。
精神的な病気でさえ消化が大きく関係しているのです。アーユルヴェーダ専門家が患者に対して肉や魚を食べてはいけないとアドバイスするのは、消化力が落ちている人が肉や魚を食べると、ますます消化の火が弱まり、アーマがさらに蓄積されるからなのです。
日ごろ消化力が落ちているのではないかと思われる方はジヴァ・ジャパンにご相談ください。info@jivajapan.jp