当校のオイルマッサージ専門家養成コースでは、生徒さんが自分の不調を改善するためのプログラムをつくります。

 


ある生徒さんは10時間寝ないと元気がでないというお悩みをもっています。10代の若者ならいざしらず、10時間の睡眠は長すぎます。睡眠時間は7-8時間が最適で、それ以上になると弊害がでると言われています。10時間寝ないと元気がでないのはオジャスの減少が考えられ、オジャスの減少には何か要因があるはずです。

 
さまざまな取り組みの一つとして、週に1回はセルフアビヤンガをすることにしました。プログラムを立ててから1カ月。この生徒さんは実際には週に3回ほどセルフアビヤンガを行いました。その結果、元気が戻ってきたようで、顔色がよくなったと周りの人たちから言われました。この取り組みはしばらく続けることにしました。

 
オイルが体と心にエネルギーを与えてくれることは確かです。古代のアーユルヴェーダの賢者たちは素晴らしい療法を編み出したものです。オイルの力はこんなに素晴らしいのに、日本人はオイルを健康維持のために積極的に使ってきませんでした。一部のお寺には「油」の文字がつくところがあり、オイルがまったく使われなかったわけではないのでしょうが、オイルの使用が一般的だったとは考えにくいのです。むしろ、昔の日本人は油を取り除くことに努めてきました。天ぷらの油も和紙で吸い取ります。

 
油を必要としなかった理由の一つは湿潤な天候にあると思います。インドは熱帯で乾燥している地域が多いので、皮膚の乾燥を防ぐためにオイルでコーティングする必要がありました。湿度の高い日本では、オイルを肌に塗るとべっとりしてしまいます。日本人は民族的にカファ体質だと考えられるので、もともと体内に油分をたくさん持っていることが考えられます。だから、油を取り除くことに注力してきたのかもしれません。

 

加えて、むかしの日本人は食物繊維をたくさん摂取していました。日本人の排便量は西洋人に比べてかなり多かったようです。そのため、むかしの日本人は便秘に悩まなかったのかもしれません。便秘を防ぐには水だけでは不十分で、食物繊維と油分が必要です。むかしの日本は食物繊維を十分に摂り、体内に油分が十分あったことが考えられます。

 
しかし!

 
現代の日本人をとりまく環境は大きく変わりました。食物繊維の摂取量は少なくなり、それに伴って排便量も減りました。お酒をたくさん飲むようになったので、体の乾燥も進みました。さらに、いつも電磁波を浴びています。電磁波は体を乾燥させます。ストレスも体と心を乾燥させます。病院でもらうクスリも体を乾燥させます。神経や脳神経もカラカラです。

 
むかしと違う環境において、現代の日本人はオイルの滋養が必要となりました。子供も、働く世代の大人も、高齢者もオイルの滋養が必要です。アーユルヴェーダを知った人たちはそのことに気づき、体験し、オイルの力を実感しています。高齢者もオイルの滋養が必要です。ただでさえヴァータが増加する年齢帯。クスリもたくさん飲んているので、体や神経は乾燥します。脳も乾燥します。ただ残念なことに、油を嫌ってきた世代なので、簡単にはオイルケアを受け入れてくれません。オイルを受け入れてもらえる工夫が必要だと感じます。