巷では健康によい油、健康に悪い油についていろいろな意見があります。あっ、その前に。「油は体にとって悪だ!」と思い込んでいる人がいます。こうした思い込みと反対に、油脂は脳の健康、代謝、心臓の健康、細胞の成長に欠かせないものです。細胞膜は脂肪酸でできています。脂肪を摂らないと体の機能が損なわれます。一時期、ローファット食品が大流行したことがありましたが、健康にマイナスの影響を与えることが明らかとなり、今は影をひそめました。


脂肪は体の健康に必要なものです。脂肪を含んでいる油脂は必要不可欠です。現在の研究によると、脂肪が体重を増やすというのは正しくなく、むしろ代謝を促進する効果があります。だからこそ食用油についていろいろな情報が交錯しているのです。食用油の良し悪しについて絶対的正解はないと思いますが、参考としてアメリカの「ファンクショナル・メディスン(機能性医療)」を実践しているマーク・ハイマン医師の見解をシェアします。私の見解も加えてあります。「ファンクショナル・メディスン」の考え方はアーユルヴェーダに似ています。

 
▼避けるべき食用油

 
植物油・シードオイル:驚き! 植物油というと健康そうに思えますが、キャノーラ、コーン、大豆、グレープシード、サフラワー、ピーナッツ、パーム、綿実などの植物油はおススメできません。これらの植物のほとんどが遺伝子組み換えであるうえ、化学的加工が行われているので、体に炎症を起こすリスクが高いからです。炎症はがん、心臓疾患、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病につながります。レストランや食堂ではこうしたオイルを使っている可能性が高いので、揚げ物などオイルをたくさん使う料理には慎重にならざるを得ませんね。

 
インドレストランはどうでしょうか。インド料理は伝統的にギーを使っていましたが、インドでは国を挙げてギーから植物油への移行を進めています。問題は植物油の種類ですね。

 
水素添加したオイル:液体の植物油を個体にするために水素添加が行われています。マーガリンやショートニングです。水素添加の結果、トランス脂肪酸が発生します。トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やす一方、HDL(善玉)コレステロールを減らし、インスリン抵抗力を高め(血糖値の低下にインスリンが効かなくなる)、炎症を促します。トランス脂肪酸からの摂取カロリーが2%増えただけで、冠動脈性心疾患のリスクは29%も上昇すると言われています。米国医師学会(AMA)によると、トランス脂肪酸を含む油を、オリーブ油(エクストラバージン)や菜種油に切り替えるだけで、年3万〜10万件の早死にを防止できるそうです。

▼勧められる食用油

 
加熱用には発煙点(スモークポイント)の高いオイル(ココナッツオイル、アボカドオイル、グラスフェドのギーなど):スモークポイントが高いということは、高温でも安定しているということ。ココナッツオイルは即効性の高いエネルギー源である中鎖脂肪酸をたくさん含んでいます。ちなみに、牛乳も中鎖脂肪酸を含んでいるので、ホットミルクを飲むとたちまち元気になります。疲れたときにはゴールデンミルク!飽和脂肪酸でありながらココナッツオイルは高い評価を得ています。

 
加熱しないで使うオイルはオリーブオイル、フラックスシードオイル、ウォルナットオイル、ヘンプシードオイルなど。

エクストラヴァージンオリーブオイルはオメガ9脂肪酸が豊富。心臓を健康に保ちます。フラックスシードオイル、ウォルナットオイル、ヘンプシードオイルはオメガ3脂肪酸が豊富。炎症を防ぎます。

 
ここで疑問が湧きます。アメリカや日本では、オリーブオイルは高温に加熱してはいけないと一部で言われています。本当にそうでしょうか。「オリーブオイル・ラブ💛」のイタリア人やスペイン人は本当に加熱した料理にオリーブオイルを使わないのでしょうか?だとするなら、スペインのアヒージョはどうなる?植物油の加熱の良し悪しは、加熱によって有機化合物のアルデヒドが発生するかどうかによるらしいです。研究によると、190度まで加熱したときのアルデヒド発生量は、オリーブオイルは少なく、190度より高温にしてもアルデヒド発生量は少ないようです。一方、フラックスシードを加熱するとすぐにアルデヒドが発生します。結論としては、オリーブオイルを加熱して食品を焼いたり揚げたりしても大丈夫なようです。

 
日本には太白ごま油があります。これはスモークポイントが210度くらいの高さなので安定しています。ただ、オメガ6とオメガ3の比率が42対1くらいなので、オメガ6が多すぎ。口から入れるオイルとしては若干重たさがあります。(体に塗るにはベストです)

 
食べるオイル源としては、アーモンド、カシューナッツ、くるみ、ピーカン、タネ類などがいいですね。

 
オイルについてはいろいろな見解がありますが、油脂は体と脳に必要なものであり、であるからこそ慎重に選ぶことが大切です。

 
★ハリウッド大学院大学&ジヴァ・アーユルヴェーダ共催シンポジウム「ホリスティック医学とアーユルヴェーダの融合」
http://www.jivajapan.jp/seminar/symposium20181123.html

 
★ドクター・パルタップ・チョハン★アーユルヴェーダ薬理学講座とコンサルテーション(11/22-11/27)
http://www.jivajapan.jp/seminar/partapseminar201811.html

 
★「アーユルヴェーダ栄養学専門家コース」のご案内
http://www.jivajapan.jp/school/corse_3.html