歌舞伎を観にいきました。歌舞伎座の8月の午後の部の演目は「蘭平物狂」。歌舞伎は世話物あり、荒事あり、踊りありとバリュエーションは実に多彩。「蘭平物狂」は後半から派手な大立ち廻りとなり、まるで体操競技のような演目です。歌舞伎役者がはしごを登り、消防の出初式のようなさかさま・中ずり状態になると、会場中から拍手が起こり、「おぅー」という感嘆の声が聞こえてきました。すると劇場の室温が一挙に上昇しました。


それまでの冷気が消え、汗ばみはじめました。ところが大立ち廻りが終わると、うそのように涼しくなったのです。驚嘆、興奮という目に見えない心の動きが体温の上昇という目に見える体の変化を促し、それが会場全体の室温上昇という形で社会全体に影響を及ぼしたのです。それほどまでに心の力は強いのです。興味深い事例があります。微生物研究者が顕微鏡を通して微生物を研究するとき、「この個体は左に動くのではないだろうか」と仮説を立てます。するとその微生物は左に動くというのです。これは想念を抱く心のパワーを示しています。私達は、社会が個人に影響しうることは知っています。一方、個人も社会全体に影響しうるのです。多くの個人が憎悪の感情を抱けば、社会全体に憎悪が蔓延します。多くの個人がタマス的になれば、社会全体もタマスに傾きます。心のパワーはそれほどに強いのです。だとするなら、ひとりひとりが心の健康を保ち、健やかで、知的で、素敵なあなたが増えれば、健やかで、知的で、素敵な社会ができるということなのです。
人間は体、心、五感、魂からできています。人間の核は魂です。魂というのは「エネルギー」です。大宇宙に目に見えないエネルギーがあるように、小宇宙である人間にもエネルギーが存在しています。安定、平和、知性、美を備えた魂のエネルギーは涸れることがありません。魂の外側を覆っているのが心の層です。その外側を体の層が覆っています。心は魂と体を結びつける連絡係りの役割を果たしています。それだけ心のパワーは重要なのです。心が健康であれば、魂から力、知性、若さ、美が体に安定的に供給されます。心が曇り不健康になれば、魂の知性や活力や美しさが体に提供されなくなります。実際、心がタマスで曇ると、肌のつやと張りが失われ、背中に贅肉がついてきます。判断力や決断力も鈍ります。
アーユルヴェーダは心の健康パワーを保つ方法を知っています。まずは食事。サトヴィックな食事は体を軽くし、心をクリアにします。便秘が解消するだけでもお腹がすっきりし、体と心に活力が戻ってきます。呼吸法と瞑想も心の健康パワーを高めます。外へ外へと向かう五感の働きを遮断し、意識を自己の内部に向けると、心の曇りがとれクリアになってきます。呼吸法は内臓を活発にする効果もあります。呼吸法や瞑想が老化を遅らせることはさまざまな研究で証明されています。
健康な心は魂から知性、若さ、美しさ、判断力、決断力を体に供給します。知性はあなたを美しくします。肌に張りを与え、背中をぴんとさせるからです。判断力や決断力が強化されれば仕事においても有効に働きます。あなたがビジネスで成功したいなら、心を明晰にし、知性と判断力を高めることです。心が曇って笑いの消えたあなたより、心が軽やかで笑みの絶えないあなたが美しい。些細なことですぐに切れ人に毒ずくあなたより、ありがとうと素直に言えるあなたが美しい。自分の利益のことしか考えないあなたより、地球全体を考えるあなたが美しい。ドーシャが乱れて血行が悪いあなたより、ドーシャバランスがとれて伸びやかなあなたが美しい。ビジョンをもたず人に左右されるあなたより、自分の意見を持っているあなたが美しい。
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